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遺伝的プログラミング
Wolfgang Banzhaf 他著
伊庭 斉志 他訳
新田 徹 他訳
9,800円
24x18.5 448頁
4-87653-330-X C3055
 遺伝的プログラミング(GP)に関するこの優れた書物には,2つの注目すべき点がある.

一つは,進化論的手法によるコンピュータプログラムの自動生成に関する分野は急速に発展しているが,その最新情報を与えていることであり,もう一つは,筆者ら自身の手によって生み出された革新的で非常に優れた仕事,つまり,機械語ゲノムおよび線形ゲノムを進化させるという全く新しいタイプの遺伝的プログラミングを紹介していることである.  -- John R. Koza


 遺伝的プログラミングは,コンピュータプログラムの自動生成を目的としており,高速で生産的なソフトウェア開発を実現するための最も有望な枠組みの一つである.ダーウィンの進化論から得られる生物学的知見と機械学習から得られるコンピュータサイエンスアプローチに関する知見とを組み合わせることによって,GPには幅広いタスクに対してプログラム自身を適応させたり,再構築させたりする能力が備わっている.
 この個性的なGPの入門書によって,GPに関する様々な主題を詳しく概観することができる.また,豊富な参考文献とオンライン情報も合わせて掲載されている.基礎的な理論や重要なアルゴリズムの説明のみならず,豊富な応用例を示していて,GPを実現するための実際的な技法に関しても議論している.GPの概念を理解し,そして応用する必要のあるソフトウェアの専門家の皆様にとって,本書は実践的でかつ理論的な貴重なガイド役となるでしょう.


本書の概要

第1部 遺伝的プログラミングの基盤

第1章 遺伝的プログラミングと機械学習

 伝統的な機械学習と遺伝的プログラミングがどのような関係にあるのかについて述べられる.機械学習の歴史から始まって, そもそも機械学習とはどのようなものであるのか, 機械学習を規定する3つの要因である「問題の表現方法」,「探索オペレータ」,「探索戦略」について詳しく述べられる.

第2章 遺伝的プログラミングと生物学

 遺伝的プログラミングの背景となっている生物学の知識が述べられる.自然界における進化に必要な条件はどのようなものであるのか. DNAはどのようなメカニズムで処理されてゆくのか.遺伝子型と表現型, 個体発生などについても述べられる.また, 進化過程において現れる遺伝的安定性と遺伝的可変性, 相同的可変性についても触れられる.

第3章 数学的基礎とコンピュータ科学の基礎

 遺伝的プログラミングを理解するために必要となるコンピュータ科学と数学の基本的な概念が述べられる.遺伝的プログラミングを支えている数学と情報処理手法はどのようなものなのだろうか? 乱数や確率の初歩的な事柄から始まり,チューリング機械, ハードウェア,ソフトウェアについての一通りの基本的な事柄が述べられる.

第4章 遺伝的プログラミングと進化論的計算手法

 コンピュータ上で進化をシミュレートする進化論的計算手法は, 意外と古くから存在する.代表的なものは遺伝的アルゴリズムであるが, それ以外にも, 進化論的戦略, 進化論的プログラミングなどがある.遺伝的プログラミングもその一つであるが, 本章ではこのような進化論的計算手法について詳しく述べ, その中で遺伝的プログラミングがどのような位置を占めているかについて明らかにする.

第2部 遺伝的プログラミングの基礎

第5章 遺伝的プログラミングの基本概念

 遺伝的プログラミングにも様々なタイプのものが存在するが, 本章ではそれらに共通する基本的な構成要素について詳しく述べられる.交叉や突然変異, 生殖などの遺伝的オペレータ, 適合度関数などについて定義した上で, 遺伝的プログラミングの基本的なアルゴリズムが述べられる.最後に, 簡単な例を通して遺伝的プログラミングの実行経過を実際に追う.

第6章 交叉 --- 変動の源泉

 交叉オペレータは遺伝的プログラミングの実行時間の90%を占めるとも言われているほど重要なものである.本章では交叉オペレータに焦点が当てられる.交叉オペレータが遺伝的プログラミングの実行に与える影響(積木の保存作用と破壊作用)が実験例を通して述べられる.また, 交叉オペレータの性能を高めるための手法について詳しく述べられる.

第7章 遺伝的プログラミングと秩序の創発

 遺伝的プログラミングの次の2つの重要な創発的特徴について詳しく調べられる.
(1)遺伝的プログラミングにおける問題表現空間の探索能力.
(2)イントロン(intron)やブロート(bloat)の問題.
これらは遺伝的プログラミングの未来に重要で未解決の問題を投げかけている.
また,遺伝的プログラミングの顕著な特徴の1つである可変長遺伝子の結果として実行時に創発する.

第8章 統計学を用いた遺伝的プログラミングの解析と改善

 本章では, 遺伝的プログラミングの性能を向上させるための解析手法について述べられる.
まず統計学の基本的な事柄と遺伝的プログラミングを解析するための統計学上のツールについて述べられる.遺伝的プログラミングを解析するタイミングは3つある.実行前と実行中と実行後である.それぞれについて詳しく述べられる.

第3部 遺伝的プログラミングの最先端

第9章 様々な遺伝的プログラミング

 本章では, 様々なタイプの遺伝的プログラミングが詳しく述べられる.現在最もよく使われている,ゲノムが木構造を持っているタイプの遺伝的プログラミングの他にも, 線形なゲノムを持ったもの, あるいはグラフ構造をゲノムに持たせたものも存在する.あるいは, STROGANOFFと呼ばれる, 木構造ゲノムをより複雑にしたタイプのものもある.

第10章 遺伝的プログラミングの改良

 本章では, 遺伝的プログラミングの改良について述べられる.処理の並列化を行なうことによって, 遺伝的プログラミングの実行時間を短縮する手法や, プログラム集団に構造を導入することによってプログラム進化を促進させる手法, 共進化などを導入することによってGPの探索性能を向上させる手法について詳しく述べられる.

第11章 遺伝的プログラミングの実現手法

 本章では, 遺伝的プログラミングの実現手法が, 個体の表現方法を中心にして述べられる.

個体を表現する方法はいくつか存在する.LISPのリストで表現する方法, C言語などのコンパイラ言語のデータ構造で表現する方法などであるが, それぞれの長所と短所が詳しく述べられる.最後に, GPの実行に際して必要となるパラメータの値の設定に関する指針が述べられる.

第12章 遺伝的プログラミングの応用

 遺伝的プログラミングには既に膨大な応用例が存在する.本章ではそれらから選び出された応用例が, 自然科学指向(たとえば, 生化学データベースに対するデータマイニング), コンピュータ科学指向(ニューラルネットワーク構造の自動生成など), 工学指向(電気回路の自動設計など)の3つのカテゴリーに分けて述べられる.

第13章 まとめと今後の展望

 各章の要約, GPの今後の発展に何が必要であるかなども含めて今後の展望と結論が述べられる.

付録A 書籍・ビデオテープ・学術雑誌
付録B インターネット上で利用できる情報
付録C GPのソフトウェア
付録D 研究集会




"[The authors] have performed a remarkable double service with this excellent book on genetic programming. First, they give an up-to-date view of the rapidly growing field of automatic creation of computer programs by means of evolution and, second, they bring together their own innovative and formidable work on evolution of assembly language machine code and linear genomes."

--John R. Koza

Since the early 1990s, genetic programming (GP) discipline whose goal is to enable the automatic generation of computer programs as emerged as one of the most promising paradigms for fast, productive software development. GP combines biological metaphors gleaned from Darwin's theory of evolution with computer-science approaches drawn from the field of machine learning to create programs that are capable of adapting or recreating themselves for open-ended tasks.

This unique introduction to GP provides a detailed overview of the subject and its antecedents, with extensive references to the published and online literature. In addition to explaining the fundamental theory and important algorithms, the text includes practical discussions covering a wealth of potential applications and real-world implementation techniques. Software professionals needing to understand and apply GP concepts will find this book an invaluable practical and theoretical guide.

主要目次

1 Genetic Programming as Machine Learning

2 Genetic Programming and Biology

3 Computer Science and Mathematical Basics

4 Genetic Programming as Evolutionary Computation

5 Basic Concepts the Foundation

6 Crossover the Center of the Storm

7 Genetic Programming and Emergent Order

8 Analysis improving Genetic Programming with Statistics

9 Different Varieties of Genetic Programming

10 Advanced Genetic Programming

11 Implementation taking Genetic Programming Work

12 Applications of Genetic Programming

13 Summary and Perspectives

A Printed and Recorded Resources

B Information Available on the Internet

C GP Software

D Events


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遺伝的アルゴリズム 伊庭斉志著

 
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