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CMOS集積回路の基礎
岩田 穆 著
3,200円
A5 224頁
4-87653-111-0 C3055
 本書は,LSIの設計開発を目指す学生の入門書であるとともに,LSIを応用したシステムやソフトウエアを専門にする学生がLSIとその設計を理解するための教科書である.本書の特色は,主流となっているCMOS集積回路に絞って,デジタル回路とアナログ回路の両者を同レベルで述べていることである.そのため,半導体物理や製造技術などについては設計に必要な事項のみに留めている.LSIで何が実現できるか,そしてそれをどのように設計するかについて,これから集積回路を勉強しようとする学生や技術者の役に立つように期待している.

本書の内容

第2章 集積回路のデバイス

この章では集積回路で用いられる各種の回路素子(デバイス)について述べる.CMOS-LSIで使われるMOSトランジスタの構造,動作特性,回路モデルについて述べる.次にコンデンサ,抵抗などの受動素子についても簡単に述べる.

第3章 CMOS-LSIの構造と製造プロセス

集積回路の構造と製造プロセスについて設計に必要な事項を簡単に述べている.

第4章 CMOS基本論理回路

基本的なCMOS論理回路について述べている.まず,MOSトランジスタをスイッチと考えてCMOS論理回路の動作原理とその特徴を述べる.CMOSインバータ,ナンド(NAND), ノア(NOR),排他的論理和(EXOR)などの基本的な論理ゲートの回路構成,論理動作を解説.CMOS論理の優れた動作特性を理解できるように解説を行っている.さらに,性能を向上させるための論理回路として複合ゲートなどについても述べている.

第5章 CMOS論理回路の動作速度と消費電力

マイクロプロセッサ(MPU)の動作クロック周波数を高くするには,論理回路の遅延時間を小さくすることが必要である.また,ポータブル機器では消費電力を極力低くして,バッテリを長持ちさせて小型化することが課題となっている.この章では論理回路の遅延時間と消費電力について述べる.CMOS論理回路の遅延時間の原因を解説し,その解析を行う.そして,遅延時間を短くする設計について述べる.次に,CMOS論理回路の消費電力について述べる.一般に遅延時間を小さくして高速動作させると消費電力が大きくなる.高速性と低電力性を両立させる回路と設計が重要になる.

第6章 半導体メモリ

記憶機能はすべての情報処理において不可欠である.近年,画像情報のデジタル処理が主流になって,大容量で高速な記憶が要求されている.このような要求に対して,半導体メモリは大量に記憶を高速に記憶する技術として進歩してきた.この章では各種の半導体メモリの記憶の原理,デバイスと回路構成について述べる.また,電源を切っても記憶情報を失わない不揮発性メモリもあり,固定のプログラムや識別情報の記憶に用いられる.

第7章 デジタル演算回路

マイクロプロセッサの主要な構成要素であるデジタル演算回路について述べる.最初に基礎知識として,よく使われるデジタルの数値表現方法について簡単に述べる.演算機能には算術演算と論理演算があり,算術演算の中の加算と乗算が重要である.まず,基本となる1ビットの加算器の論理回路構成法,多ビットの加算器と桁上げについて述べる.

これらを元にして2の補数データを使った減算回路に拡張する.さらに,多ビットデータを1クロックで乗算する並列乗算器についても述べている.これらの演算回路は,信号処理用のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)にも共通の技術である.

第8章 制御回路

LSIやシステムの動作手順は制御回路で決められる.動作手順を決める回路を順序回路といい,これは内部に状態を記憶いている論理回路である.この章では,記憶機能を持たせるためのフリップフロップやレジスタについて述べる.この記憶機能を用いた順序回路について述べる.論理システムはクロックで動作する同期システムであるが,1GHz程度の高周波のクロック信号を発生し,演算回路などに供給する方法を述べる.また,専用ハードウエアで作り込まれた制御回路とマイクロプロセッサなどで使われるプログラムによる制御回路についても述べる.

第9章 CMOSアナログ基本回路

近年,LSIの集積規模が増加して,システムを1チップに集積できるようになった.特にアナログとデジタルを混載したシステムLSIが重要になっている.この章ではCMOSデバイスによるアナログ回路の回路構成と特性について述べる.アンプなどを構成するアナログ基本回路とその特性について述べ,それを用いた演算増幅器(オペアンプ)と電圧比較器(コンパレータ)について述べる.

第10章 AD,DA変換器

アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器と逆の変換を行うDA変換器はアナログ回路とデジタル回路の両方を搭載したLSIでは必須な回路である.特にシステムLSIと呼ばれるLSIで重要性がましている.この章では,集積回路に適したAD,DA変換の回路方式と設計法について述べる.変換する信号の周波数帯域と精度によって多くの種類の回路方式がある.

第11章 フィルタとPLL

フィルタ(filter)とはある周波数帯の信号成分を通過させ,他の周波数帯の成分を減衰させる機能をもつアナログ回路である.この章では集積化アナログフィルタについて詳しく述べている.また,デジタルフィルタについても簡単に触れている.フィルタを応用した回路に位相同期ループ(Phase locked loop:PLL)がある.高周波発振器として無線通信用LSIやマイクロプロセッサなどにも広く使われている.

第12章 LSIの設計法と構成法

集積回路の規模の膨大化に伴い,短時間でミスのない設計を行うことが必須になっている.これを解決するために計算機を用いたCAD(computer aided design)が必須になっている.この章ではLSIの設計方法とCADの概要を述べている.各種のLSIの構成法と設計法があり,どの方法を選択するかが重要である.

第13章 LSIの実装と開発コスト

集積回路を実際にシステムに適用する際にパッケージと呼ばれるものに入れてボードに実装して使う.最近,携帯システムなど小型化が必要なものが増えており,コンパクトな実装が重要になっている.この章では,実装の概要を述べる.また,集積回路の生産に必要な費用についても述べる.最後に集積回路の信頼性についても簡単に触れる.
 
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